『キラー・コンドーム』をビデオにてチェック。いやあ凄いタイトルだ。緊張と緩和。
内容と言えば、生きたコンドームが次々と男のウェポンを食いちぎってまわるというもので、だらしなく伸びたコンドームが男の赤バットをくわえてチョロチョロ走り回るというバカの頂点を極めた映像が素晴らしいです。まあ「キラートマト」系のナンセンスホラーの趣きですが、実はそれは世を忍ぶ仮の姿。
キラー・コンドームを追う主人公の刑事がハゲデブチビのオヤジでしかもホモ、というあたりに例えようのない濃さを感じてはいましたが、この濃さが映画の途中で暴走することおびただしい。捜査の途中で男を買うわ、昔ホモを仕込んだ元同僚に付きまとわれるわ、はたまた街で拾った男と恋に落ちて激しい愛を交わすシーンが入ったり、他にもSMあり、ハードゲイあり、トドメにノンケの同僚との限り無く同性愛に近い友情シーンがあったりと驚きの充実ぶり。
そちら方面の暴走にさしものキラー・コンドームも影が薄い。いやコンドームだから薄いのは影だけでなく本体も。い、いやまあそれはいいのですが、その豪快な性の狩人ぶりの間に
「この街は病んでいる…」
と渋いモノローグがクソ真面目に入ってくるので愉快です。かと思えば次はコンドームが男の標準装備をかじり取る大馬鹿シーンだったりしてワンパクの極み。この映画を考えた人は天才かも知れません。こういうトンデモないタマに当たるからZ級映画ってのはやめられないんですよホント。
ちなみにさすがドイツ映画だけあって、舞台がニューヨークなのに全編セリフがドイツ語という良く判らない事態になっていました。
(2000年06月09日)