さて『カル』。韓国版『セブン』といった趣の雰囲気。冒頭からいきなり解剖シーンですので血に弱い方は要注意。っていうか血ドバ肉ドサの描写に散々慣れ切ったわたくしでもこの映画は昼食ったラーメンがオエプです。血色の悪い肌にメスがサクリと入るとこなんかかなりモノホンっぽくてグー。とにかく屍体の出来が異常にいいんですが、出てくる屍体がだれひとりとして五体満足でない、っていうか組み立て前のガンプラみたいな状態で、切り口とかもきちんと脂肪がもりもりしてて肉屋の軒先にあるようなのがゴロゴロしてて素敵でした。
あ、あとミステリー仕立てなんですけど、観終わって犯人が分かっても判らないトコが余りに有り過ぎて、首をひねるのを通り越して妙な余韻すら感じました。っていうかこれ最初から合理的な解決を無視してるでしょ!先生ゆるしませんよ御両親に言い付けますからねみてらっしゃい!キー!ゼエゼエゼエ。と思わず男ヒスを起こしてしまいますが、まあ観終わったあとであれこれ解釈を付けあうのも楽しいかも知れません。
(2000年11月09日)