『仄暗い水の底から』観ました。
感想1:
この手のホラーを、この手の手法で何本も手掛けている中田秀夫だけあって、恐怖描写はかなり秀逸。居てはならないモノを、実に気まずーい雰囲気で描きます。日常の中で、禁忌に触れる瞬間/闇が垣間見える瞬間を描写するのがとても上手い。尋ね人の張り紙が雨風にさらされて、顔写真が不鮮明になっている様とか、エレベーターのボタンに明らかに悪意をもって付けられたタバコの焼けこげとかは、その顕著な例と言えます。
感想2:
このような陰湿な演出が冴え渡っているにもかかわらず作品のテーマは母の愛だったりするわけで、まあそれはいいのですが最後に母の愛が大暴走。凡人には理解のできない行動におよび、さすが母の愛は奥が深いぜと矢鱈に感動を呼びます。
感想3:
子役が上手い!とモッパラの評判。確かにそこいらのガキとは何かがひとあじ違いますが、何ケ所かはどう観てもマジ泣きしていました。撮影現場にナマハゲみたいな人がいたのでしょう。
感想4:
『リング』につづいてハリウッドにリメイク権が売れたそうですが、しかしこのほぼ土着に近い怪談のツボをメリケンの皆様が理解できるのかどうか。CGで子供の霊体を表現!なんて興醒めなことにならなければいいのですが。
(2002年01月27日)