インビジブル

さてぼちぼち観てきました。下世話大魔人ことバーホーベン先生の『インビジブル』。透明人間の話で、「透明になった人間はモラルを無くす」というのがテーマ。さすがバーホーベン先生、人間性とか道徳とかキレイゴトは犬にでも食わせとけ!と開きなおりが素敵です。惚れます。


肝心の内容です。人体実験の結果、見事透明人間に変身したケビン・ベーコン君がノゾキやレイプや同僚の乳首つまみ等にいそしみ、あまりに楽しかったのでもう元に戻んなくってもいいや!とブチ切れて研究者たちを次々とお殺しになられます。いやー面白いんですが、なんというか、テーマそのまんまの映画でした。


だいたい「透明になった人間はモラルを無くす」なんて言われても「今さら判り切った事言ってんじゃねーよ」って感じですし、それを超えた何かが描かれてる訳でもありません。ボーホーベン先生お得意のエロ描写も今回は控えめ。かつてのバーホーベンなら間違いなくモロ描写されていたであろう透明人間によるレイプシーンも、今回は女性が振り返ってキャーと叫ぶところでブツッと切れるという半端さ。レーティングの関係で切られたんでしょうか。無念です。その代わりというとアレですが、透明ケビン君が仕事場でうたた寝してる同僚の乳首をくりくりつまんで御満悦、というシーンが異様にエロかったですねえ。ここのCG担当した人はさぞ楽しかったことじゃろう…と遠い目で思いましたよ。


ちなみにみなさん、自分が透明になったらまず何をします?


まあとりあえず女湯へとか、スーパーで菓子パンを万引きとか、毎日のストーカー行為に活用とか、皆様いろいろ有意義な使いみちはおありになることと思いますが、わたくしの場合はまずフルチンで外を歩き回る度胸を身につけることですね。なにはなくとも。


(2000年11月06日)
インビジブル
Hollow Man
2000年 アメリカ
監督:ポール・ヴァーホーヴェン
出演:ケヴィン・ベーコン エリザベス・シュー ジョシュ・ブローリン