ゴルゴ13

道を歩いていたら突然後ろから何者かに殴られて気を失い、気がついたら高倉健の『ゴルゴ13』のビデオを借りていました。


高倉健=デューク東郷、という等式は果たしてアリなのか、という問題はともかく、健さんのスナイパールック(どんなファッションだ、それは)が結構さまになっててカッコ良かったです。しかしゴルゴを演じているくせにその青々と剃り上げたモミアゲは一体どういう事ですか、健さん。かといって千葉真一ゴルゴの味付け海苔みたいなモミアゲもアレですが。


映画の方はまさに怪作の名にふさわしいデタラメさとトンチキさに満ちています。最後、健さんは絶体絶命のピンチに陥りながらも唐突に悪者を狙撃、強引に映画を終わらせますが、何度観直してもどうやって最後のピンチを切り抜けたのかサッパリ判らないという画期的な編集方針が光っていました。


なおこの映画、イランとの合作で、健さん以外は一切日本人が出てこないという異色作です。タイトルバックは「アササデ」「アラヒョリ」「マシンチャン」「ガタキチャン」などと謎のイラン人俳優の名が東映テイストたっぷりの力強い明朝体で踊る珍品。舞台も全編イランロケですが、台詞は徹底的に日本語吹き替えというあたり、原作に忠実で好感の持てる仕上がりでしたよ。最初にイラン人が森山周一郎の声で喋ったときは心の底からビックリしましたけど。


(2000年06月26日)
ゴルゴ13
1973年 日本
監督:佐藤純彌
出演:高倉健