えー『コンスタンティン』観て来ました。原作のアメコミが「ヘルブレイザー」という題ですが…知らん。主演のキアヌ・リーブスはどことなく『マトリックス』を引きずっているようなたたずまいじゃのう…ということであまり過度な期待はしないように心がけて観ましたよ。以下感想。
感想1)
…おもすろい。カソリックの思想を世界観のベースにもつ映画ですが、全方位的に無信心な私のような人間にも面白さは判りました。ドリフのもしものコーナー風に言えば「もしもこんな悪魔祓い師がいたら」で「のっぴきならない事情で嫌々やっている悪魔祓い師」という設定で役どころは仲本工事あたりですか。まあそれはいいのですがこの嫌々やってる事情のあたりがなかなか面白い。カソリックにおいて自殺は大きな罪とされていますが、それをどういう訳か主人公のモチベーションとして活かしたところがまず憎い。あとまあいろいろあって神と悪魔の狭間で立ち回らなくてはいけない主人公のコンスタンティン君が地獄行きを免れるために悪魔を祓って天国ポイントを貯めているという経緯もまたしょっぱくて良い。そりゃあしょっぱい顔にもなるだろう。というわけで神からも悪魔からも難癖をつけられるという因果な運命を背負ったコンスタンティン君がしょっぱい顔をさらにしょっぱくしながら神と悪魔を大向こうに回して繰り広げる駆け引きがなかなか面白いのであります。
感想2)
映像的にはもう余程の事ではビックリできないのが昨今のハリウッド映画ですが、この映画もごたぶんに漏れずそんなにビックリすることはありません。でも見た目の凄さだけに頼っているわけでは全然ないので無問題です。むしろ凝った構図やカメラワークに注目。
感想3)
なんかねえキアヌ・リーブスがいいんですよ。コンスタンティン君は35歳の若さにして末期の肺癌に侵されゲッヘンゲッヘン血吐いたりしてるのにタバコがやめらんない、という因果な人ですが、何かに取り憑かれたようにタバコを吸わずにはいられない、という業を背負った感じが妙に良く出てましたね。それでズッパアアアと吸うタバコがまた旨そうなんですよこれが。わたしゃ喫煙の習慣のない人間ですが見終わったあとは妙にタバコを吸いたくなりましたね。
感想4)
※以下ネタバレを含むので読みたい方は空白部分をドラッグしてお読み下さい。
まあ色々あって捨て身のとんちとエスプリで悪魔の親玉にホエ面かかせたコンスタンティン君はめでたく天国に召される訳ですが、神々しく神に召されながら後ろの悪魔に中指たててふぁっくゆーをキメるシーンは個人的にここ数年で最高にツボ。もうこのシーンだけでご飯3杯はいけます。
感想5)
というわけでSFX超大作と見せかけておいて実は設定と伏線と駆け引きとオチで魅せる映画でした。あとエンドロールのあとにオマケがあるのでせっかちな人は席を立たないよう要注意。
(2005年05月17日)