いや、これにはヤラレましたよ。恋愛映画(?)では本当に久々のノックアウト。これほどまでに切ない抱擁シーンがかつてあったでしょーか?半泣きになってるとき、優しい言葉をかけられると余計泣いてしまう。そんな切なさが爆発してます。
監督/主演のヴィンセント・ギャロは、ヤバげな面構えの癖に実はシャイで弱々しいダメ男を身を切り刻むように好演。そんな男のダメさ加減を目の当たりにしながらも「あんたって最高に優しい人だわ」と全肯定、何もかも受け入れて優しくだきしめてくれる女。なんだかダメ男の都合のいい妄想が炸裂したよな映画で、下手すりゃ2時間の自己憐憫なんですけど、自己憐憫とてそこに切実な叫びがこもれば人の胸を打つものになり得る、ということをこの映画は体現してます。
あと、物凄く素晴らしかったクリスティーナ・リッチに一言。
お前、ダイエット禁止。
(2000年02月06日)