北野武の『BROTHER』。内容は毎度毎度の北野印。っていうか暴力描写に関しては集大成、総括、再確認みたいなトコがありますね。あとアメリカ市場を意識してか、非常に分かりやすいつくりになってます。悪く言えば北野映画の商業主義への媚び、内容の拡大再生産、みたいなもんが感じられてウーンって感じなんですが、それでも独特の緊張感が全編にみなぎってて最後まで気が抜けません。たけしは立ってるだけでカッコいいし。
ただ主演男優がボケッと道ぱたに立ってるだけでこれほどの吸引力を発する映画はそうそうないですぜ。これは監督の力でもあるし、それ以上に俳優の力でもあるのでしょう。
…しかし劇中、日本のヤクザが指詰めたりするシーンが入ってたりするんですが、そこが一歩間違えるとギャグ寸前なのは面白がった反面どうにかならんかとか思いましたねえ。これみた外国人が日本を激しく曲解しないかどうか大変心配ですよ。そーかー日本人は責任取るときはこうして小指切ったり腹切って腸ブラブラさせたりするのかー、とか。こんなことでは海外に行ってもうっかりヘマしようものなら、目の前にスシバーから借りた包丁おかれて「ヘイショーミーハラキリ!ユビツメ!」とか言われそうでイヤです。
(2001年01月28日)