押井守の実写映画『アヴァロン』。
ジェームズ・キャメロンが「かつてなくスタイリッシュなSF映画だ!」なんて絶賛の言葉を贈ったとか言ってましたが、てめー世辞こいてんじゃねーよキャメロン!!この鈍臭い映像のドコがスタイリッシュやねん!!
いや百歩譲ってマジでキャメロンがそう思ったと致しましょう。しかしそれでも彼はこの映画の全編を観ていないのではあるまいか。意図的にかそうで無いかは知る由もないですが、とにかくこの映画は観客の興味を引き付けることに全く気を使ってません。まるで他人が見た夢の話を延々聞かされているみたいな感じで、ひとりよがりに話が展開してゆくので取り残された観客は大弱りです。まあ確かに世界観には押井印が炸裂していますが、魅力的な世界観だけで客の興味が持続するってもんじゃーないでしょエエ!
断片的にオオッと思ったシーンはいくつかありましたけど、それも断片的にというだけで、あの『パトレイバー』や『攻殻機動隊』を作った人とは思えない躍動感の無さ。しかし一番わからないのは押井の実写映画に資金を出した人々がいるということで…。この人たちは過去の押井の実写作品を観て何もヤバさを感じなかったのでしょうか?それとも『攻殻』のビデオが全米で大ヒットという事実に目が眩んだのでしょうか?
…次回作はなにとぞアニメでお願いします。マジで。この通りですから。
(2001年01月28日)