春川ますみ主演の『赤い殺意』というのを観ました。
春川ますみと言うと、我々の世代なら「ウルトラマンレオ」のレギュラーだった人のいいオバサンとか、『トラック野郎』シリーズの愛川欽也のかみさん(凄まじく子だくさん)が思い出され、京塚昌子や池内淳子に並ぶ「日本の母」女優として記憶されるべき人物であります。
非常に存在感のある女優さんですけど、パブリックイメージとしてはバイプレイヤーの域を出ない、地味な人物…と思ってたんですが。
それが大マチガイで、『赤い殺意』での彼女は凄まじい存在感を発揮してます。一人の愚図な女が、不倫を重ねて女の官能に目覚めるうちに、次第に愚図なりのふてぶてしさを獲得してゆく…という話で、まさに一世一代のハマリ役と言っていいでしょう。「愚図さ」「ふてぶてしさ」「善良さ」という3大ポイントをこれほどまでに体現する女優さんてのは他に見たことがない。
彼女のような「ブスかわいい」「デブかわいい」女優さんと言えば、最近ではなんつってもクリスティーナ・リッチですけど、かつて日本にもそれに匹敵する、いやそれ以上の女優さんがいたという事は記憶されるべき事だと思います。
春川ますみファンクラブを立ち上げちゃおーか、とマジで考えている今日この頃。ますみリスペクト。
(2000年05月29日)