■ STRANGE, EXOTICA ROOTS |
■ 2011年10月25日(火) |
Poppy PYS-5704 「ドント・イット・ドラッグ・オン」 クリス・スミザー |
♪1970年代の初頭は、多くのフォーク歌手が新しい道を歩み始めたものだった。いわゆるロックと深くかかわりながら、独自の路線を確立する歌手が頭角を現した。ザ・バンドとボブ・ディラン蜜月時代の象徴、ウッドストックのベアズビル・スタジオで録音された本作品は、ポピーから1972年発売されたクリス・スミザーのセカンド盤。まず白地を基調としたジャケのアートワークに惹かれて直ぐ購入した。ヒッピー風なクリスのモノクロ写真には正直言って驚いたが、何のことがない素直なフォーク・ロック風味の作品だった。 ぼくが当時凝っていた“フォーキー・ブルース・サウンド”を内包していたこの傑作盤には、大好きだったマッドエイカーズでお馴染みのハッピー・トラウムや、お洒落なシンガー・ソングライター、エリック・カズやマリア・マルダーなどがゲスト出演。これだけでも満足した。ザ・バーズ人脈で語られるジーン・クラークのように、哀愁を帯びたヴィヴラート・ヴォーカル。これが本盤では際立っている。お気に入りは、ジェリー・ガルシアの「Friend of The Devil」と、ボブ・ディラン「Down In The Flood」のカヴァー。前者はハッピー・トラウムが素朴なバンジョーで参加、後者にはエリック・カズがピアノ&ハーモニカ、マリア・マルダーとボニー・レイットがバック・アップ・コーラスで参加している。今から思えば夢のようなコラボレーション盤だった。 |
Vanguard 79188 「リラックス・ユア・マインド」 ジム・クウェスキン |
疲れたときにいつも心を癒してくれるのが、ジム・クウェスキン盤だった。いうまでもなくシカゴ〜ケンブリッチ・フォークのヒーロー。ヴァンガードから数枚発売されたジャグ・バンド・アルバムは、まさに“グッド・タイム・ミュージック”そのもの。リプリーズから発売されたソロ・アルバム『アメリカ』は、ジミー・ロジャーズやジーン・オートリー、マール・ハガードなどの名曲を収録、これも昔よく聴いたものだった。だが、やはりそれ以前に発売された本作品は、まさにぼくにとっての名盤であり、いまでも繁茂に聴くアルバムだ。ジムの鼻にかかった心優しいヴォーカルと、リラックス・ムードをたっぷりと体内に送りこんでくれるメル・ライマンのハーモニカは、まさに出色の観。素晴らしいアルバムを遺してくれたものだ。ケンブリッチの老舗コーヒー・ハウス「クラブ47」のライブも数曲収録されていて、東海岸フォーク・シーンの雰囲気を味わうこともできる。B面最後のミシシッピ・ジョン・ハートから学んだ「My Creole Belle」、レッドベリーのこころ優しい作品「Relax Your Mind」のカヴァーなどは、スローライフぴったりのトラックといっても過言ではないですよね。もうお気づきと思いますが、ここにあげた2枚のジャケットは、ホワイト(白)を基調にしたものです。ということは、白いジャケ写のアルバムは傑作が多いんですかね? |
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