■ STRANGE, EXOTICA ROOTS |
■ 2009年10月16日(金) |
バッファロー LBCY-323 「レディ・フォー・ユー」 ジャネット・クライン |
ジャネット・クラインは、“ニュー・オールド・タイム・レディ”という異名に相応しい歌手。ドリーミーなヴォーカルが、ぼくの心を安らかにしてくれる。西海岸のカフェやラウンジで人気者だ。本作品は、いつものとおり戦前(1920年代から30年代)のポップス、ジャズ、ブルースなどをジャネット流の和みサウンドで録音したものだ。度々の来日ライヴで、多くの方はジャネットの魅力にはまったのでは・・・。このアルバムで気に入っているトラックが3曲ある。まずジャネットのウクレレ弾き語り「I Love Ukulele」。愛くるしいヴォーカルに心が和む。その2は、「泣かせて頂戴」。何と戦前の歌謡スター、川畑文子のヒット・カヴァー。川畑文子は、昭和初期にジャズのカヴァーを試みた人物。この曲は、20年代に流行った「Sigh And Cry Blues」の日本語カヴァー。それにしてもジャネットの日本語は見事!その3は、「銀座カンカン娘」。49年(昭和24年)、高峰秀子が歌った昭和歌謡のヒット・カヴァー。新東宝で映画化された「銀座カンカン娘」の主題歌としても広く知られている。服部良一のブギウギ・ビートを巧みにちりばめた作曲って、ほんとセンス抜群ですよね。もうひとつこのCDにはキラー・チューンがありますよ。アコースティック・スウィング・ファンにもってこいの録音「Sentimental Gentleman From Georgia」も捨て難いものです。ステファン・グラッペリ&ジャンゴ・ラインハルト好きにお奨めです。 |
東芝EMI TOCP-6713 「公式海賊盤」 ポール・マッカートニー |
その昔、アンプラグド・ショーが大流行したことがありましたね。懐かしいですね。ボブ・ディランやエリック・クラップトン盤を夢中で聴きましたよ。こうした状況でとんでもないアルバムが発売されました。ビートルズのポール・マッカートニーのアコースティック・アルバムです。直ぐに購入しましたよ。ポールの音楽背景に興味がありましたから・・・。まずびっくりしたのは、英国時代のランブリング・ジャック・エリオットのヒット作「サンフランシスコ・ベイ・ブルース」が収録されていたことです。やはりというか、ポールもジャックが大好きだったのですね。エルヴィスのサン録音「ブルー・ムーン・オブ・ケンタッキー」のカヴァーは、オリジナルを歌ったビル・モンロー&ブルーグラス・ボーイズのコロンビア録音に近く、これには驚かされました。「グッド・ロッキン・トゥナイト」は、いうまでもなくエルヴィス・ヒット・カヴァー。楽しそうにポールが歌っておりますよ。オリジナルは、黒人R&Bの大御所、ロイ・ブラウンでしたね。ワイノニー・ハリスのヴァージョンもヒットしました。「シンギング・ザ・ブルース」は、ライナー担当氏は、ガイ・ミッチェルがオリジナルと書いておりますが、ガイのヒットをカヴァーしたカントリー歌手、マーティ・ロビンスの十八番ソングとして有名です。ポールは、マーティのコロンビア録音をしっかりとカヴァーしております。口笛入りのアレンジも和みますね。 |
一覧に戻る | トップに戻る |