■ STRANGE, EXOTICA ROOTS |
■ 2004年1月15日(木) |
GoodDays GSRS-2112 ガールズ・ハーモニー、アコースティック・スウィング ザ・ディニング・シスターズ |
ポップス・ファンだったら一度はコーラスものにはまったことがあるに違いない。特にガールズ・ハーモニーときたら、ほんとキュートでドリーミーで誰もがのめり込んでしまう要素がいっぱいだった。ジャズ・シーンでの人気者マクガイア・シスターズやアンドリュース・シスターズって、いまだに忘れがたいグループだ。 彼女たちは、1940年代〜50年代にかけて全米で大ブレイク、その波はわが国までやって来て多くのファンを獲得した。オクラホマ州出身の3姉妹で結成されたザ・ディニング・シスターズは、こうした背景を受けてカントリー・シーンから誕生したグループ。 40年代中盤から50年代初頭にかけて甘く切ないコーラスでシカゴ名物のカントリー・ラジオ番組「ナショナル・バーン・ダンス・ショウ」で人気を得て、次に西海岸カントリーの大御所テネシー・アーニー・フォードに才能を認められて全米まで人気は広がっていった。 レパートリーは、ジャズ、ポップス、カントリーと多種多彩だった。カントリー界からデビューしただけあって「You Are My Sunshine」「Oklahoma Hills」「San Antonio Rose」などを録音、これが胸キュンで心癒される仕上がりとなっている。アコースティック・スウィング作品として楽しめるのが、「Brazil」「As Time Goes」「Love Letters」。 長い間、わが国のカントリー・ファンは、こんなにおいしいグループを見逃してきたのだから始末に終えない。 |
CDジャケットイラスト:菅野 一成 |
GoodDays GSRS-2113 スウィンギン&ダンシン ヒルビリー・ブギ・スタイル |
カントリー・ミュージックが「ヒルビリー」と呼ばれていた頃(1920年代から50年代)には、本当の意味で充実したカントリーが巷にいっぱい溢れていた。黒人ブルースに影響を受けて独自の白人ブルースに到達したミュージシャン、スウィング・ジャズ黄金期の波を受けてテキサスから誕生したウェスタン・スウィング、ストリング・バンドにジャグ・バンド、ウェスタン・スウィング、ゴスペルなどの要素を巧みに取り入れてケンタッキーから誕生したブルーグラスなどと、魅力的なヒルビリーは枚挙にいとまがない。 本作に収録されたヒルビリー・ブギの数々は、紛れもなく南部黒人音楽に深く影響され、その後の個性豊かなダンス・ミュージックへと発展したという。欧米の研究者によると、40年代後半から50年代中盤にヒットしたヒルビリー・ブギは、ロカビリー誕生を予感させる素敵な音楽だったと指摘している。ここでの聴き所は、ヒルビリー・ブギ・ブームを興したグループ、デルモア・ブラザーズと、ピアノ・ブギでスターの座を獲得したムーン・マリカン録音といってよい。 ハンク・スノウのあやしいブギ、マール・トラヴィスのレス・ポール宅録に影響されたモンドな録音も見逃せない。洒脱なウェスタン・スウィングで西海岸で大活躍したスペイド・クーリーのウェスタン・スウィング・ブギ、黒人ジャンプ・バンドを彷彿させるテネシー・アーニー・フォードの豪快なブギウギなども味わい深い。 |
CDジャケットイラスト:菅野 一成 |
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