STRANGE, EXOTICA ROOTS


 ■ STRANGE, EXOTICA ROOTS

  2003年12月18日(木)



トップ・オブ・ザ・ワールド・ツアー ソニー

SICO-519〜20

トップ・オブ・ザ・ワールド・ツアー

ディクシー・チックス
  ブルーグラス・シーンから登場したポップスのスーパー・グループ、ディキシー・チックスの2枚組ライヴ。イラク問題でブッシュ大統領に猛反対した件で、表現の自由を奪われたかに見えたが、そんなことは意に介さずに話題騒然のなかで行われたツアーを記録した作品。表現の自由を!とアメリカの現実を訴えた点に注目。1960年代に興ったフォーク・リヴァイヴァルで表れた社会派、つまりピート・シーガー、若き日のボブ・ディランフィル・オクスなどの扇動よりもパワフル。ヴォーカル、サウンドもいまのアメリカン・ミュージックを的確に捉えて多種多彩。ブルーグラス・ロックといえそうなトラック「ロング・タシム・ゴーン」「トーチャド・ダンブルト・ハーツ」「リトル・ジャック・スレイド」には、久日ぶりに感激した。70年代にロング・ヘアーで革新的なブルーグラスを編み出したサム・ブッシュ率いるザ・ニュー・グラス・リヴァイヴァルを彷彿させる素晴らしいトラックだ。ケルト・ミュージックをイメージさせる「レディ・トゥ・ラン」も最高。エミルウ・ハリスと何ら遜色のないヴォーカルが堪能できる「カウボーイ・テイク・ミー・アウェイ」は、2003年型カントリー・クイーンの貫禄が漂っている。今年、アメリカを騒がせたグループ、3人娘のディクシー・チックスの最新盤は、ルーツ・ロックの傑作盤として騒がれてもいいかも・・・。くそったれブッシュにガールズ・パワーで止めだ!



"That's What I Can Sweet Music" SongBook

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"That's What I Can Sweet Music"

American Dance Orchestras of The 1920s From R.Crumb's 78RPM Record Collection
  ジェフ・マルダーの紙ジャケット再発『ワンダフル・タイム』(ナリド・ワーナーNACD-3215)が、いまルーツ・ロック・ファンに圧倒的な支持を得ているというのだ。そこでの冒頭曲「リヴィン・イン・ザ・サンライト」のノスタルジックな漂いに酔いしれたファンはさぞかし多いと思う。戦前ジャズ・シーンの大物、ポール・ホワイトマン楽団のヒット・カヴァーだった。ジェフは1920年代から30年代にかけて、アメリカで隆盛を誇ったオーケストラによるダンス・ミュージックにも精通していた。こうした大甘な音楽は、「スウィート・ミュージック」として呼ばれいた。本作品はストレンジなストリングス・バンド、スーツ・セレネイダーズで活躍したり、漫画家、イラストレイター(ジャニス・ジョプリン『チープ・スリル』のジャケットを始め、YAZOO/Blue Goose等のジャケットを多数手掛ける)としてお馴染みのロバート・クラムが蒐集した戦前のスウィート・ミュージックSP盤(78回転)から選曲されたゴキゲンなベスト盤。つまりノスタルジック満点のムードが味わえる内容。有名、無名なスウィート・ミュージックを得意としたバンドの代表作が次々と登場する。いうまでもなくポール・ホワイトマン楽団の演奏も収録されている。他の聴きどころは、フェス・ウィリアムズ・アンド・ヒズ・ローヤル・フラッシュ・オーケストラヴィクター・ハリウッド・オーケストラアール・ハインズ・オーケストラ






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