■ STRANGE, EXOTICA ROOTS |
■ 2003年11月10日(月) |
ユニバーサル(Argo) UCCU-9029 シング・フォー・ビッグ・ピープル ディック・ウィリアムズ・キッズ |
♪ぼくが監修、セレクトしているユニバーサル・アコースティック・スウィング・シリーズの第2弾「エキゾティカ・コレクション」10枚の中の1枚。 まずジャケットを見て頂きたい。こころ和むフォトが良いでしょう。 ジャズの名門レーベル、アーゴの異色作だが、チルドレン・アルバムの傑作として渋谷系音楽ファン(もう、古いか?)に人気があったアナログ盤の世界初CD化。 ジャズの大スタンダードをけなげに、微笑ましく、うたう姿にこころが癒される。アコースティック・スウィング・ファンなら誰でも知っている名曲アフター・ユーヴ・ゴーン、オール・オブ・ミー、わたしの青空(マイ・ブルー・ヘヴン)などがお奨め。この名盤をジャズ系の音楽ライターがいままで見逃してきたのが、ほんと不思議なくらいだ。 DJ周辺で評価を高めたアルバムで、いまさらながら若い音楽ファンの探究心に感服してしまう。それに引き換え、ロック系の名盤を紹介することも使命(!?)としてきた音楽ライターたちもすっかりおじさんとなり、こうした素敵なアルバムを発掘できない。ほんと情けない。 解説は下北の名物「ノアルイズ・レコード」の阿部広野さんだ。ストレンジなストリング・バンド、ノアルイズ・マーロン・タイツのメンバーとしてもお馴染だ。 |
キング(Vanguard) KICO-771 ベスト・オブ・ベイビー・シッターズ ザ・ベイビー・シッターズ |
♪「子供モノ」アルバムは、ややもするとキワモノ扱いされてしまう。でも、ご心配無用だ。コツは子供ごころで素直な気持ちで聴くことだ。優しい歌声が理解できる。 ザ・ベイビー・シッターズは、モダン・フォーク・コーラスの名門、ザ・ウィーヴァーズのリー・ヘイズと、ザ・タリアーズのアラン・アーキン、そして紅一点ドリス・カプランが結成した子供たちのためにフォーク・グループ。もうひとつ付け加えると、アランの子供たち(ジェレミー、アダム)も参加している。ジャケットも微笑ましい写真で飾られている。 では、聴き所を紹介しよう。アランと幼児との可愛いコラボレのハッシュ・リトル・ベイビー。まず絶品トラックと言っておきたい。リー・ヘイズのオートハープをバックにうたわれる時計のうたは、赤ちゃんとの微笑ましい掛け合いに思わずこころが和む。 ボブ・ディランもカヴァーしているディス・オールド・マン、ピート・シーガーのバンジョー弾き語りでお馴染みスキップ・トゥ・マイ・ルウは、ザ・ウィーヴァーズ風味のコーラスが味わえる。ここではアメリカン・ボードビリアン伝統のほっぺを叩き、パーカッション代わりにする楽しい芸が披露される。黒人フォーク&ブルース歌手で広く知られるレッドベリーのチルドレン・ソング代表作のカヴァー、ハー・ハー・ディス・アウェイだって、悪いハズがない。文句をつけようがない子供モノ盤の傑作だ。 解説(対談)は、ハイファイ・レコード店の大江田さんとレコ狂の小柳帝さん。 |
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