【結婚式のスピーチの原稿】  新郎くん、新婦さん、ならびにご両家の皆様、本日は おめでとうございます。  私は、新郎の小学生のときからの友人で、けいすけと 申します。  今日は緊張して舞い上がらないように、あらかじめ新 郎くんに贈るお祝いの手紙をしたためてまいりましたの で、そちらを読ませて頂きたいと思います。  新郎様へ  暑からず寒からずの過ごしやすい季節になりましたね 。といっても、新郎くんと新婦さんのようなお熱いお二 人にとってはあまり気にならないことでしょうか。  さて、新郎くん。新郎くんは私と初めて会ったときの ことを覚えていますか。  私は今でもはっきりと覚えています。あれは新郎くん が私が通う小学校に転校してきて一週間ほどが経った頃 でしょうか。その日、私は転校してきた新郎くんのこと が、なぜか、どうしてか気になって、住所を調べて、小 学校から徒歩1分の新郎くんの実家を30分以上も歩き 回ってやっとのことで探し当てたのです。  そして私はこう叫びました。  「新郎くん、あそぼ」  すると、二階の窓から顔を出した新郎くんは、私に一 言だけこう言いました。  「やだよ」  幼心にショックでした。もう友達になんかならないと 正直なところ思いました。ちなみに余談ですが、当時人 なつこかった私が、今ではすっかり人見知りになってし まったこのことが原因かと思います。  ところが、それからすぐにどういうわけか新郎くんと は大の仲良しになっていました。  先日も、新居にお邪魔させていただいとき、「俺達っ て、いつから、どうして仲良くなったのかなあ」という 熱い議論をしましたが、結局結論は持ち越しとなりまし た。  ただ、仲良くなったきっかけは分からなくても、私は これだけは分かっています。  新郎くんと出会えて友達になれて本当に良かったと。  そういうわけですので、新婦さん。新郎くんの親友で ある私は、また近いうちに、お二人の愛の巣にお邪魔さ せていただくことになるでしょう。  そのときに、私が「新郎くん、あそぼ」と玄関越しに 呼んでいるにもかかわらず、新郎くんは素っ気無く「や だよ」といじわるをしても、どうか新婦さんだけは今も 浮かべているその素敵な笑顔で私を迎えていただければ と願っております。  本日は、お招きいただきましてありがとうございまし た。お二人ともおめでとう!