CHERRY G80-1863HUMUS-2

秋葉原に、ネオテックというお店がありました。今は周辺を含めて駐車場となっており、なかなか寂しい雰囲気となってしまってます。

さて、そこのお店では、高級キーボードがずらりと並んであり、ショーケースの中には、今ではパソコン二、三台くらい買えそうなくらいの値段の代物が陳列されていたのでした。

お店に入ると、机に幾つかのキーボードが並べてあって、手軽に触れました。それがドイツの「CHERRY」という海外のもの。今でこそ、各ショップを探せばあるメーカーでしたが、その当時は、ここでしか触れない代物だったと思います。

自分にとっての「CHERRY」製のキーボードについては、あまり良い印象はありませんでした。

なぜなら、如何にも「ドイツ魂」らしいカタチとして君臨しているからです。

その一、軽い→輸送コストを考えると軽さが正義である!
その二、筐体がひ弱→分解しやすくリサイクルが楽、エコこそ正義である!
その三、ロゴがシール(昔のは自分で貼る必要があった)→ロゴなぞ飾り、見た目でCHERRYと判るであろう!

まあ、ぐだぐだ挙げてもきりが無いので、もう止しますが、自分にとってはIBMが正義であり、重い!硬い!打っていると、手がしびれるのが至上としていたので、対極にあったわけです。

周りが、CHERRY軸について青だ、白だ、黒だ、やっぱり茶だといった風な言葉を、右から左に聞き流し、このメーカーの代物には、あんまり関わりを持た ない様にしてきました。ただ、不幸な事に、私がキーボードに興味を抱いた時期が、ちょっと遅すぎた様で、「CHERRY」といえどもコストダウンしていた 時期の代物としか出会ってなかったのかもしれません。

というのも、その当時は、「CHERRY」のキーボードには鉄板は入っていない、キートップはレーザー印字のみという思い込みがありました。特に、キー トップがレーザー印字なのでというわけでも無いですが、そのキーを叩いた感覚が、非常に薄く、プラスチック然とした風が安っぽく感じてました。

と、前置きが長くなりましたが。

G80-1863HUMUS-2
「HUMUS」の意味は、K.Tanaka //さんのサイト「Qwerters Clinic」内のCherry MXキースイッチに書かれてました。
H→キートップの印字方法:二色成形
U→スイッチ/コネクタ種類:リニア/USB
M→Windowsキーの有無:Windowsキーあり
US→レイアウト:英語(US)

ある日、ネオテックに行くと、店長さんが、「これが二色成形なんですよ、ちょっと触ってみて」と、これを紹介され、「CHERRYかよぉー」と心に思いな がら、おもむろに叩いてみる。と、明らかに、今までの他の代物と違う、しっかりとした重さを感じられて、「おぉー」と思わず声を上げてしまった。
(以下、勝手に脚色してますので、事実と違います)

店長「どう?違うでしょ」
自分「これは、違いますねぇー」
店長「どうですか?今ならありますよ」
自分「いやー、えーと、これに手を出すと、何かを失いそうなぁー」
とすばやく「また、今度!」と逃げる私。

と次の日に、お金を握り締めて、お店に入り、開口一番。
「こ、これを下さい!」

新品である、箱付きである。ドイツのお方である。


黒い筐体なので、写真撮っても、真っ黒・・・って、フラッシュ忘れた。

フラッシュ焚いて、バッチリ!ロゴは最初から貼ってありました。


会社に持っていって、常用していました。軽いのが幸い、持って行くのも楽チン。
当然、会社の他のキーボードは日本語なので、時々、これを使った担当者は「うぎゃー配列違う!」と気が狂ったりしているのを、脇から生暖かく見守ったり。
と、中々楽しい日々が過ごせました。

しかし、今、秋葉原にある「CHERRY」ブランドは、パンタグラフ系のノートパソコンみたいなものばかりになっているのが、あの当時では、考えられない状況だったりします。どうなって行くのでしょうかねぇ、キーボードは。

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