IBM-5576シリーズとの出会い。

昔々、Aptiva750を購入してきた時に付いていたキーボード5576-B01

パソコンのキーボードを触り始めの頃から、割りと固めのキータッチが好きだったので、

このキーボードもすんなりと手に馴染んで、とある事故さえなければ、今でも現役で使って

いたかも知れない。

さて、その事故というのは、キーボード上に重い代物が落下し、直撃するという事故である。

これにより、一部のキーが押せたり押せなかったりするという故障が発生する。

早々に、キーボードをどうにかせねばならない、と、インターネットで自分のキーボードの

事柄を探してみた。…すると、この5576-B01というのは、そこそこ有名であることを知った。

(まぁ、IBMが今までの高級?路線から大いに外れた廉価版のひどい代物という歓迎出来ない

評価だったが、他のペタペタとしたキータッチよりも固めというIBMらしい?つくりという点

は同意)

さて、インターネットの情報で、探すとIBMのキーボード群には、001,002,003,A01という代物

があり、とりわけA01が良いというのが、現在の106配列の始祖にして、最高の造り込みがされ

ているということを、強烈に印象付けられた。

 

IBM-5576-001,002,003,A01を是非とも触ってみたい!と素直に思い、どこなら?と真っ先に思いついた

のは秋葉原。だが、その日は、別の用事があったので八王子に行き、それとなく某中古ショップに

立ち寄ったところで、衝撃的な出会いが待っていた。

 

そう、IBM-5576-001である。ケーブル付きで、\800くらいの値札が無造作に本体に貼り付けられて

いた。レジに持っていくと、店員さんは怪訝な顔をして、値札を見る、「どうしたんですか?」と尋ねる

と、「このキーボードに何かついてませんでしたか?」と。「どうしてですか?」とさらに尋ねると、

「あまりに高いからですよ。これなら\300で良いです」とまけて貰った。

 

ペキンペキンとしたキータッチが、ひじょうに軽く、なかなか楽しいキータッチである。

キースイッチの構造は、某所での解説により、キーを押すと、板金をパキンと折らせているようだ。

友人曰く、金属板を折っていて、折れ切れずに戻される感じ。まさに、その通りの構造。

さて、このキーボード、配列が特殊であるが、私は、すぐに馴れてしまった。キーボードを使う時は、

たいがいメール打ちの時が多いので、自然、仮名漢字まじりの文である。この時、5576-001の配列だと

漢字入力をする時、ひらがなを打つ時、英数を打つ時に、106配列と違う点である。

会社では、106キーボードを使っているので、漢字カナを打つ時に多少戸惑ってしまうが、まぁ、会社

では英数が主。このキータッチは放したくない…。

 

さて、私のメインキーボードはIBM-5576-001が続いていくと思っていたのだが、割りと短い付き合いと

なってしまった。そう…、配列の違いと、OSのサポートでである。

ある日、画面のハードコピーを録ろうと「Ctrl+PrintScreen」と押そうとして、手元のキーをくまなく探して

愕然とした。そう「PrintScreen」らしい代物が見当たらないのである。「印刷」か?いや違う…。

まあ、この時は、それを「まあ、5576-001を触るという贅沢に比べれば、こんな機能くらい無くてよいわ」

と強がったりしました。

次に問題になったのは、OSWin98SEからXPにしてからである。XPでもレジストリを書き換えれば、

使えるという話だった。確かに使えはするのだが、テンキー部分が不動作となってしまい。ちょっと按配が

悪い。

 

別れの日…。

パソコンのモニターをSiliconGraphics社のにした。それに伴い、キーボードも同色のFUJITSU FMV-KB311 ?

SiliconGraphics版に変えた。

 

さてさて、配列は106キー、タッチは音がしない、ごくごく普通の感触…。

部屋を見回すと、キーボードが目立つ。そう、キーボードの知識を仕入れたあの日に、幸運にもIBM-5576-001

を手に入れたのにもかかわらず、色々なキーボードを手入れては、がっかりしたり、していたのである。

そう、IBM-5576-003,A01のキーボードの実物を、この手で触ったりしたことが無いのが、ひじょうに心残りで

あったわけだ。(IBM-5576-002は、001と同様のキー構造のようなので、キータッチは同様ではないか?と想像

してる)

 

そして、運命の出会い。

「こ・れ・は!!!?ひょっとして!!」キートップが外れていたり、どうやったらこんなに汚れるのか?と思うような

キーボードが入った小汚い箱に、小さい「IBM」ロゴを見つけた時には、ちょっと自分の目が信じられなかった。

ただ、それを確認し、手に取ってみると失望感が襲った。当然のことながら、これが、こんな場所に居る筈は

ないからだ。今では愛好家の家で、毎日の日々を楽しく過ごしている代物やら、オークションで、「俺も俺も!」と

引っ張りだこの自分の人気ぶりに驚いたり、陶酔してたりするかもしれない代物である。

(まあ、中には、大切に使われずにしまわれている代物もあるだろうなぁー)

いや!しかし、この機会を逃すと、とても出会える代物ではない。高いお金を払ってでも!というならともかく、こ

んな場所で、こんな機会(5576-001の配列に疲れて、普通のキーボードにしたものの、未だに触ったことがない、A01

を渇望している自分に気づいた時)に出会えるなんてのは、運命以外の何物でもない!!!

そそくさとレジで\100を払って購入。

 

 

そう!

IBM-5576-A01(P/N 79F0167)である!

 

キーを触ってみた。キーを叩いてみた。いろんな角度で見てみた。良い!!

キーを触った感覚、ざらついた風。キーを叩いた感覚、抵抗のところを力強く押し切ると、「もう一度、押してね」と

反ってくる感覚。こ、これが…。夢にまで想像した感触なのか!

 

さて、お店で発見して手に取った時に、私が、これの何に失望したのかというと、

キーが一部、とても大切な部分が欠けているのである。後はケーブルが無い。

ケーブルは5576-001のがあるとして、キーが欠けている部分である、テンキー部分は、そんなに大して使わないし、

メイン部分で打てる部分である。が、メインキーの中の「Enter」が無いのはとても痛いのでは?

まぁ、漢字キーはキートップ部分が無いのはいたし方がないし、F2も別に良いか。

とりあえず、動作するかである。

 

動いた!!!!

欠けたキー以外は全部、認識するし大丈夫。色々と文章を組んでみる。欠けたキー、得に「Enter」キーが無いのは、

とても辛い。わざわざ、テンキー部分の「Enter」を押しに行くか…。ん?テンキーの「+」キーって、テンキーの

Enter」と同じ構造なんだ…。ひょっとして…。

 

F2と「漢字」も…。

 

実は、これに気づいたのは、購入して移動中に、テンキー部分の「+」キーが外れたのである。それを直している

うちに、このキーボードの構造が解り。各キーが、割りと簡単に外れる事で実現出来たことである。

まぁ…。妙だが…。無いよりマシ!

とにかく、この文章も、このキーボードで叩いてるのだが、ひたすら叩いて、その音と感触を味わっていたいと、

ついつい文章が長くなってしまいました。