フルブッシュ交換
いつまで経っても費用が貯まらないことを理由に長年無交換のままだったブッシュを、思いつきから自分で交換してみることにしました。
きっかけは、部品代までの費用が”やっと”貯まったこと、ニーレックスさんからアマチュア向けに「イージーハンディプレス」が出たこと、そしてせっかくガレージが出来たのだからそれらしいことをやってみたかったこと(笑)でした。一通 りのことは自分でやってしまうことの多いロードスター乗りでも、さすがにブッシュ交換を自分でやる人間は少ないようで、HoneyBeeさんの報告を唯一の頼りに作業を始めることにしました。
まずはジャッキアップとウマ掛け、そしてアーム類のバラシ、ですが・・・以下省略。皆さんのHP等を参考にして下さいね。今回は、ボールジョイントプーラーが無い&ハンマーでも外せず、フロントはなんとアームにハブナックルを付けたままばらしてしまいました(う〜ん大陸的)。外したボルト類は、よく「メモしましょう」「キチンと保管しましょう」などの方法を聞きますが、どれも面 倒なので(爆)片っ端から付いていた場所に戻しておきました。
どの車両も最大の問題点はリアロアアームのハブ側ボルトを外すことだと思います。幸い私のクルマは、数ヶ月前にNA8トルセンデフ移植の際に数時間掛けて切り離してもらいましたので、今回は楽勝でした。最悪、ボルト切断等考慮に入れながら作業を始めるのが良いでしょう。(皆さんも自分で出来るところとショップにお願いするところはキチンと考えましょう^_^;)
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作業上必要なバラシはこのくらい。 他に前後スタビ一式、デフマウント交換のためデフケース&PPFがそこらじゅうに転がっています |
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ばらしたリア廻り。キャリパーは段ボール箱にそっと乗せておきます。サブフレーム側、特にアッパー側はボルトにサビ等無く綺麗な状態でした。デフは例の上部カラーが抜けずに放置状態。やはり日頃の手入れが物を言います。 |
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問題のフロント部(^^) キャリパーは#10の焼き番線で吊しました(それにしても酷いコンディション)。タイロッドもごらんの有り様。いいんです、終わったら清水の舞台から飛び降りたアライメント調整やりますから・・・。 |
次にブッシュの耳を切り落とします。何も考えずに全部切り落としましたが、よく考えたらプレスで押す側だけで良かったんですよね。
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触っていると、10年分固くなっているブッシュとそれほどでもなく綺麗なままの物とあることに気が付きます。 |
今回はP.P.F.有志で「イージーハンディプレス」を購入しましたが、入荷待ちの間試しに万力でも作業してみました。万力は、ブッシュ交換を視野に入れて選んでおいたストローク200ミリの物を会社から拝借しました(^^)
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仮固定して使ってみました。この巨大さとタイヤの”重石”はご愛敬(^^)本体は一人で持ち上げるのがやっとです。こんなの使う仕事あるんだろうか・・・ |
整備書の指示通りソケットと純正SST(サポートブロック49 B034 201 & 49 N028 201 それぞれ「34」「28」と区別しました)を使用し、隙間にCRCを吹き込んで万力を締め込んでいきます。ブッシュは大きく分けて長短2種類ありますが、上手くCRCが行き渡った短い物はすんなりと抜けてくれます。しかし渋い長物は全体重(公称75キロ)を掛けても30分以上かかることもしばしば。また、200ミリでもストロークが足りない場合もあるので、組み合わせを途中で変えつつ締めていく必要があります。
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ばらす基本のSST2丁掛け。この画像のブッシュは長い物なので、途中からソケットも2段重ねに組み替えてチャレンジしました。SSTの小窓から抜けてきたブッシュが見えますか? |
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このように万力に干渉する箇所は、とりあえずSST1丁&あり合わせのナットで初期の締め込みをしていきます。 |
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最も苦労したリアロアアームボディ側が抜けたところです。一カ所に実質1時間・・・ |
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新旧ブッシュを比較する、の図。殆どの箇所は極端な違いは見られませんでした。ゴム質が幾らかわかるくらいかな? |
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今回の作業で最も簡単な(^^)スタビ基部です。リアはこのように捻れ癖が付いていました。 |
半分の作業を残したところでタイミング良く「イージーハンディプレス」が到着です。早速組み立てて使ってみると・・・簡単にブッシュが抜けるじゃありませんか!!どの箇所も手間に差が無く作業を進めることが出来ます!万力での作業はのべ6時間ほど、イージーハンディプレスでの作業は2時間ほどで終了しちゃいました。これでも2種類あるラインナップから価格の低い「ハイアマチュア用」を選んだのに、です。
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新しいオモチャの到着に喜々として組立にかかるおやまんとちばクン。 |
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これがイージーハンディプレスの構成部品。手前の純正とは違うSSTが沢山あります。但し説明書がないので使用箇所はケースバイケース。純正との共存、使い分けが作業効率のカギを握ります。 |
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| こんな感じで使用します。特にソケット代わりになるSSTが白眉!長さもバッチリ、ブッシュに当たる窪みも金属部分にピッタリはまり、しっかり圧が掛けられます。付属のジャッキの容量 を心配しましたが、力不足になる箇所は組み込み時も含めて全くありませんでした。唯一の弱点は、ジャッキ付属の棒が分解式のためちょっと力が入れづらい所。次回の作業からは適当なパイプを用意する予定です。 | |
全てのブッシュを抜いたところでアームのサビ落としと再塗装を行います。個人で交換作業を行って最もメリットがある作業かも(笑)ショップやディーラーではなかなかここまでやってくれませんからね。
ブッシュが圧入される箇所を重点的にサビを落とします。ここではちばクンから頂いた裏技「CRCと耐水ペーパーで研ぐ」が大活躍しました。特に内側に浮き出たサビは、圧入の抵抗になりボルトセンターが出せなくなりますので注意しましょう。
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手に入りやすいムース状のエンジンルームクリーナーでスチーム洗浄しました。このくらいで1本使いましたが、あんまり綺麗にならなかったかも。しかもオイルまみれのアンダーカバー忘れているし(T.T) 余裕があればサンドブラストなんてやってみたかったですね。 |
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組み込み途中のパーツ群。ブッシュも使用箇所ごとに並べておきます。 塗装したアームだけが黒光り。 |
今回は脚周りのブッシュと共に、エンジン&デフマウント、シフト周りのゴム&プラ部品をリフレッシュすることにしました。以下が、ディーラーで必要な箇所を拾い出し購入したブッシュの品番です(2002年1月現在)
HoneyBeeさんの報告にあった物とは少々品番が違っていました。
(金額は合計金額、カッコ内は使用箇所)
【フロントサスペンション】
| ロアアームラバー,ブッシング | NA01 34480A | 4個=7,040円 | (アッパーアーム) |
| ラバーブッシング | NA01 34490 | 2個=2,180円 | (ロアアームリア) |
| ロアアームラバーブッシュ | NA01 34460A | 2個=3,520円 | (ロアアームフロント) |
| ラバー スタビライザー | NA01 34156 | 2個=640円 |
【リアサスペンション】
| ブッシュ ラバー | NA01288C0C | 6個=5,460円 | (アッパーアーム) |
| ブッシング ロアアーム | NA0128460 | 4個=4,320円 | (ロアアームイン) |
| ブッシング,ラバー,ロアアーム | NA01284D0 | 2個= 2,160円 | (ロアアームアウトフロント) |
| ブッシング,ラバー,ロアアーム | NA01284B0 | 2個=2,160円 | (ロアアームアウトリア) |
| ブッシュ,スタビライザー | FB0128156 | 2個=500円 |
ラバー エンジンマウント NA01 39040A 2個 =4,720円
インシュレーターNo,1チェンジ AA0164481B 1,350円
ホルダー、ロッド G03056693A 130円
最後のロッドホルダーは、必ず割れてしまうボンネットロッド用です。デフマウントは、羅針盤のオクムラ君から数年前に譲ってもらったマツスピ強化品を組みます(オクムラ君の所で数年、我が家に来てからも数年熟成されているので果たしてリフレッシュと呼べるかどうか・・・??)
いよいよブッシュ組み込みです。
圧入には「モリブデンペースト」(グリスに非ず)が良いと聞いていましたが、手に入れる時間がなかったので石鹸水を使用しました。次回交換時のサビが心配なのですが・・・。イージーハンディプレスを使用すると何の苦もなく圧入ができます。ジャッキをピコピコやればあっと言う間に圧入完了!です。あまりに呆気ないのでボルト穴のセンター出しを怠ってしまいましたが(爆)
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前後が通しボルトになっているリアロアアームナックル側がこんなになってしまいました・・・前述の通 り一番ボルト精度に神経を使う部分なのに(T.T) |
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調子に乗って全て組んでしまうとこうなります。精度以前の問題でアームの組み込みができませんね。
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フロントロアアームのような、前後2本のボルトを使用するところはなんとか誤魔化しながら取り付けできました。 フリクションやら考えてしまえばとんでもないことかもしれませんが・・・ |
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結局、組み込んだブッシュを苦労して抜くことにしました。片方を画像の所まで抜いて向きを修正すると、辛うじて細い部分は入ってくれました。これでもネジ山は接触してますね。(蛇足ですが、修正時の力業ではブッシュ硬度の違いをイヤと言うほど味わいました。あぁ、体感できるトーコントロール機構・・・) |
仕上げは荒療法をとりました。ブッシュがある程度まで抜けたところで、取付ボルトと共に前後両方を一緒に締め込んでいきます。ボルトをガイドにセンターを出して行くわけです。
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最初は万力で少しずつセンターを出し、ストロークが確保できたところ&個別 にやってもセンターが狂わないであろうところまで圧入した時点で、イージーハンディプレスで仕上げます。 |
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これが理想的なブッシュの位置です。本当であればイージーハンディプレスで少しずつここまで持って行かなくてはいけません。そうすればあとは楽勝! |
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最後に残しておいたフロントアッパーアーム(これも長〜い通しボルトです)は、最初からこの方法でじっくり組み込みました。 |
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お陰でこの通り!センターが正確に出たボルトは呆気ないほどスムーズに出し入れできます。 |
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ここまで来れば後はもうひたすら組み込むだけです。 初めて脚周りの交換作業をしたときの苦労がウソのように、次々パーツが組み上がっていきます。 人間ってやれば何とかなるんですね。
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最後はアームをジャッキアップし、一番近いウマからボディが離れるところを持って1Gとし、本締めを行って仕上げとしました。
(但し、1ヶ月の保存後、50キロほど走行したところ一気にリアの車高が下がってしまいました。更に下記試走後にもフロントが下がっており、前後の車高バランスがまた変化してしまいました。ちなみにアライメント調整は200キロ走行後に行っています)そしてお待ちかねの試走です。
アライメント調整後(基準値よりちょいキャンバー多め、トー少な目)国道長距離移動〜町中〜ワインディング〜ジムカーナ、と2日間走ってみました。
乗り心地が良い!!サスペンションがやんわり動いているのがわかります。段差を越えるときも今までのガツン!と来る衝撃が殆どありません。それ以上にフワっといなしてくれます。左右への動きもしなやかに路面 に追随してくれます。かえってボディのガタピシ騒がしい部分や、よじれる感覚が気になるようになってしまいました。
4段調整のショックも再弱からもう一段上げたいくらいの感触です。今回、愛車の脚周り一式をばらして組んでみての感想。
「なんかラジコンいじっているみたい」(笑)
昔ラジコンレースにはまっていた頃の、走る毎に更なる効率を求めてひたすらOHを繰り返していた日々がよみがえりました。ベストなコンディションに持っていくことが如何に難しいか、日々試行錯誤を繰り返した物です。
今回の作業では、最高の組み上がりを求めるなどということは望むべくもありませんが、その気になればどこまでも弄っていけるロードスターというクルマがあること、どこまでもその奥深さを体験させてくれること、自分の手を汚しながら幾らかでもその片鱗を覗いたことが一番の収穫かもしれません。愛車以外で初めて欲しいと思ったNR-Aの発表、そして買えない現実(^^)をきっかけに取りかかった作業でしたが、予想外の所でその効能が発揮されました。
まだまだ我が愛車とは離れられないようですね。